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2023.1.20

美容室の経営にパーパスは必要か?

タイトルで書いたような話を居酒屋でとある美容室オーナーと話しました。
僕の答えは迷わず「YES」

みなさん、こんにちは。
今回はもしかしたらLINEお友達の方もいるのではないでしょうか?
もしそうだったらお友達追加ありがとうございます!
改めてですがクラッチワークスの代表3人の内の1人で
ディレクターを担当しています永冶(ながや)です。

永冶のがちょっと珍しい漢字なのでなかなか読みにくいのですが
「や」で変換するとiPhoneでもちゃんと変換で26個目くらいには出てきたり、
少し前だと鬼滅の刃なんかで鍛冶屋(かじや)という言葉が多く登場するのですが、
そんな時にも実は使われている漢字です。

自己紹介というよりも「冶」紹介が長くなってしまいましたが
話を居酒屋に戻してみようと思います。

僕の答えは迷わず「YES」なのですが、
そもそも「パーパス」って「WHAT?」という話なのですが
ここ数年でビジネス経営の中で話題になっているテーマで、
これからの美容室の経営にも役に立つヒントがあると僕は思うので
今回は僕なりのパーパスとは?と、どう役に立つのか?
について書いてみようと思います。

まずは細かい言葉よりも目で見てみましょう。
僕の好きな企業パーパス事例をご紹介します。


パーパスを語る上で一番有名な事例としてNIKEです。

「Just Do It」という有名なスローガンの30周年を記念した広告を制作する際に
アメリカンフットボール選手のコリン・キャパニック選手を起用し、

Believe in something Even if it means sacrificing everything.
“何かを信じろ。全てを犠牲にしてでも”

というメッセージを表現しています。

これが何?ということもあるのですが、このクリエイティブの背景としてこのキャパニック選手はその当時、警察の黒人射殺事件や人種差別などの問題に対して反対の意思を表示する為にアメフトの試合の際に、通常であれば起立して国歌斉唱するという事をあえて拒否し、ひざまずく行為をして超炎上した事実があること。

さらに当時の大統領のトランプさんにもこの行為をキッカケに超嫌われてしまっていること。さらにチームの契約まで解除されてしまうこと。あえてそんな選手を起用した事でNIKEも株価が下がったり、SNSでもNIKEのシューズを燃やしたりする人も現れたり、とにかくめっちゃ批判されたのです。

しかし、そんな中、改めてキャパニック選手の行動に賛同する人たちがSNSで声をあげはじめたり、そんなキャパニック選手をあえて起用しメッセージを発信したNIKEの姿勢に著名人が応援し始めたことで逆にNIKEはクールだ!ということで結果的に売り上げは回復し、何なら株価はその前よりも上がったという事例があります。


市販のシャンプーやトリートメントなどで有名なパンテーンは
「美しい髪によって、女性が一歩前に踏み出す勇気を与える」というブランドパーパスを掲げて
「#令和の就活ヘアをもっと自由に」という広告をはじめた事。

自由な髪型で内定式に出席したら、内定取り消しになりますか?

というメッセージと共に黒髪まとめ髪の女性を就活生の本音メッセージで作ったモザイクアートのビジュアルが話題になりました。これもNIKE同様にやはり賛否両論はあるのですが、そもそも特定の否は最初からあるものとして、しっかりこういった企業の姿勢を発信する事でブランドの強いファンを作りだすのだなと感じます。

さらにそんな就職活動に賛同した139社の企業も紹介しているからすごいなと感じます。
賛同した企業のファンも同時に増えそうな企画だと思います。


アメリカで人気のアウトドアショップREI

企業としては大きな売り上げが見込めるブラックフライデーに対して疑問を抱き、

「#OptOutside」というキャンペーンを展開し、様々なアパレル企業やデパートがお店を開け大量消費を促す中であえてお店を閉めて、さらにオンラインの販売もストップし、スタッフたちに有給休暇を与えてブラックフライデーは「アウトドア(屋外)で過ごそう」という決断をしたこと。

アウトドアショップとしてめちゃくちゃカッコいい!
企業としては決して楽ではないですが、僕がスタッフだったら
この会社についていこうと思うようなカッコいい決断だと思います。
これによって共感を生みアウトドアファンの心を鷲掴みにした事例です。

どうでしょう、何だか素敵な企業だなと感じませんか?

「どう見られるか?よりも、どうありたいか。」

そんな企業のスタンスを、意思表示を示している姿に僕はとても共感をします。

そもそもパーパスって?ということでGoogleで検索すると
企業がなんの為に存在するのか(社会的存在意義)
というような言葉がよく出てきます。

他にもミッション、ビジョン、バリューなど企業理念とか色々な言葉がありますが
この辺りは細かく説明されればされるほど何だか魅力的では無くなってしまうので
実体験で例えると

恋愛でどんな人が素敵なんだろう?

みたいなことと似ている気がして、
モテる人って自分をしっかり持っていて、周りに流されていない人のような気がするのです。
自分も若い頃、中身がペラペラだなとコンプレックスを持った時期があり、
(今もあまりその気持ちは変わらないか…)
オシャレで武装して誤魔化してはいたものの、そんな時に
”自分を持った人はオシャレをしていなくてもなんで素敵なんだろう?”
そんなことを考えていたことがありました。

よくよく考えると企業が掲げるパーパスって個人で例える
「自分を持っている」というスタンスなんじゃないかなと思うんです。
だから素敵に見えて好きになってしまうのではないでしょうか。
そんな企業と一緒に仕事をしたいと思ったり、その企業の商品を買いたいと思ったり、
その企業で働いてみたいと思ったりしてしまうのではないでしょうか?

じゃあ、スローガンとかコンセプトとかキャッチコピーと何が違うのか?
という話にもなってきそうですが、

例えば有名なスローガンだと

・NIKEの”Just Do It(行動あるのみ)”

・Appleの”Think Different(違う考え方をしよう)”

・タワーレコードの”No Music,No Life(音楽のない人生なんて)”

・マクドナルドの”i’m lovin’it(最近の私のお気に入り)”

みたいな何だかCMとかで聞いたことあるぞ!
みたいなものは他社との差別化やお客様やスタッフへの約束事みたいなことで
企業が広告で掲げて表現をすることがよくあります。

それに比べるとパーパスってもっと大きな意味で
社会に対しての企業スタンスのメッセージのような感じがしますね!

言葉って不思議ですね。
とても吸引力があります。

SNS時代ですが同時に活字時代でもあるような気がします。

クラッチワークスにもやはり色々な言葉があって
SO WE MOVE(人が動く、その為に私たちが動く。)

という行動指針はスタッフに向けて作った言葉です。
だから会社見学などで求職者の皆様にはこの言葉を理解してもらえるようにしっかり説明をします。

そして、パーパスは
「美しい世界に加担する」です。

僕らの存在意義は単純な対価という基準で仕事をするわけではなく、
企業や個人の美しいスタンス(パーパスや目的)を理解し、
それをより美しく、魅力的にして、この世界にしっかり届けていこう。
という意味を込めました。

こんなビジュアルなのですが、

美しい世界に加担する。

というタイポグラフィも性別や国籍もさまざまな中、
いろんな基準の美しいがあるはずなので様々なフォントを用いて制作をしました。(小澤さんが)

だから僕らも自主的に「HOPE」というプロジェクトを立ち上げてコロナ禍でのマスクPOPの配布や
SDGsポスターの配布などを行なっているのだろうと思います。


最後に僕らが素敵だなと思ったブランドの考え方としてこちらの企業を紹介します。

「PLASTICITY」というブランドです。

日本で一年間で消費されるビニール傘の大多数の8,000万本の傘が廃棄されているという事実があること。置き忘れや使い捨てによってビニール傘を廃棄する為に埋め立て処分や焼却処理をしている環境問題の事実があることを問題視して立ち上がったプロジェクトで、廃棄される傘のビニール素材を再利用してバッグや小物へ姿を変え、新しく所有する。

そんな素敵なプロジェクトなのですが、何が一番僕に刺さったかというと、掲げているコンセプトが

「10年後になくなるべきブランド。」

なのです。

せっかく作った我が子のようなブランドなのに、最初からなくなることを願っているというメッセージに売り上げとかそんな枠でとらえていない環境に対する視野の広さに儚く素敵だなと感じました。なかなか作れないメッセージなのではないでしょうか。

ということでもう一度居酒屋に戻ってみようと思います。

「美容室の経営にパーパスは必要か?」

皆さんはどう思いましたでしょうか?

これから私たちが一緒に仕事をしたり、ターゲットとする相手は
モノが溢れる時代にSNSを駆使しているZ世代です。

そんな彼らにとって、
物を選んだり、購入したり、
行くべきお店を選ぶ時、
働くべき会社を選ぶ時、
その基準は単に
安いから、使いやすいから、みんな使っているから
給料が高いから、福利厚生がしっかりしているから。
そんな単純な事ではなく

どんな企業が作っている物なのか、
どんな想いで作られた物なのか、
どういう過程で作られているのか、
使い終わったものはどうなるのか、
自分のその消費行動が地球にとってどうなのか、

開発過程で動物実験をしたりしていないだろうか、
その企業はどんなメッセージを発信しているのか、

「自分はどうありたいか」

そんな事までをしっかりと読み解くのかもしれません。

少し壮大な話になってしまいましたがそれでもやっぱり僕は美容室の経営にパーパスは必要だと思います。

もし無ければ僕らと一緒に造るところから始めてみましょう。
きっと集客や求人という点においてもあなたの企業が、サロンが
もっと素敵に世の中にお届けできるのではないでしょうか。