プロジェクトの背景と課題
このBE FREEという脱毛サロンをプロデュースさせていただいたのは2020年の3月頭、いわゆる世の中はコロナ禍真っ只中で、今ほど動画サイトやSNSで脱毛サロンの広告を目にする機会もなく、メンズ脱毛もスタンダードではなかった時代の中で、当時の脱毛といえば無理な契約から高額なローンを組むイメージや男性が脱毛?みたいなスタンダードがあったように感じていた時代でした。そんな中で低価格で都度払いのシステムや、メンズも気軽にできる脱毛サロン、サロン名は「BE FREE」を作りたいというキーワードが飛び交ったミーティングからこのプロジェクトがスタートしました。とはいえ、まだまだコンプレックスを解消するサービスのイメージをどうやっていくのか、というのがクライアントのパストーン様にとって最大の課題ということでディレクションのご相談をいただきました。
コンセプト設計
まずは永冶がディレクターとしてクライアントのゴールイメージ、そしてヒアリングから連想した僕自身のBE FREEのイメージを絵コンテ、写真コンテのような形と言語化したメッセージを含めたコンセプトシートという、結果8ページの資料を制作しました。そんな資料の始まりは「新時代を自由に!!」という言葉から。コロナ禍という時代背景や、新しい時代に突入していく雰囲気も合わせながら、時間、予算、選択、性別、美容、抑圧、価値観などあらゆる固定概念を自由にしていく、脱毛=恥ずかしい・隠すべきものとされていたこれまでの価値観を刷新し、もっと自由に、もっとポジティブに自己を表現できる時代へという強いメッセージが込められています。そんなコンセプトを軸としてサロンデザイン、ビジュアルイメージ、ロゴや店舗グラフィック、販促物などBE FREEに関するあらゆるものを統一したイメージでグラフィックデザイナーや店舗デザイナー、フォトグラファー、店舗スタッフが進められるようにしました。












ロゴデザインとビジュアル
ロゴデザインは小澤が、ビジュアルは永冶がそれぞれ担当しました。ビジュアルに関しては競合となりそうなサロンのビジュアルがほとんどと言っていいほど施術中の写真ばかりだったのに対してBE FREEは肌を露出したり、施術の雰囲気を連想させるような写真は一切撮らず、BE FREEのロゴTシャツを制作し、それを着用したいい意味で普通の男女17名を起用し、ファッションスナップの様に撮影してビジュアルを制作しました。当時の脱毛サロンのビジュアルとしては珍しかったんじゃないかなと思います。第2段、3段でも同様に、プロセスを見せるのではなく、脱毛後の生活を見せるようなビジュアル作りを心がけました。




ロゴデザインとブランドカラー
ロゴデザインは、BeFreeが掲げる“自由”の精神を視覚的に表現しました。ひとつの固定されたかたちに縛られず、使用シーンや媒体、ターゲット、時代に応じて柔軟に変化していくロゴ設計とし、SNSや広告、店舗ツールなどさまざまな展開にも対応可能です。ロゴタイプには、自由な動きや抜け感を感じさせるフォルムを取り入れ、視覚的にも軽やかでポジティブな印象に仕上げました。
ブランドカラーには明るく鮮やかなイエローを使用し、見る人に前向きなエネルギーと開放感を与えると同時に、BeFreeのアイデンティティを象徴しています。カタカナ表記「ビーフリー」のバリエーションも展開し、媒体やターゲット層に合わせた多様な見せ方も可能。自由に、美しく。BeFreeというブランドが目指す世界観を、デザインの在り方そのものに落とし込んだプロジェクトとなりました。


販促ツール
販促ツールではブランドカラーのイエローを様々なツールで取り入れてBE FREEの認知を広げました。その中でもフラッシュイエローの封筒にシルバー箔でロゴを印刷した”インビテーション”は届いた方がinstaに投稿してくれたりとインパクトある仕上がりにすることができました。また珍しいアイテムとしてはユニフォームを制作しました。「サロンに似合った自由な発想のユニフォームを作ろう」というコンセプトで現役薬剤師さんがプロデュースしているブランドの”Panenka”さんと相談しながら生地選びからスタートしました。そして出来上がったのがスケルトンのドクターコートです。こちらもサイドにはサロンカラーでロゴをプリントして仕上げました。そんなドクターコートにサロンから支給されるホワイトカラーのエアフォース1を合わせてのスタッフユニフォームとしました。


結果
様々なチャレンジをさせていただいたBE FREEという新時代を駆け抜けていく脱毛サロンのブランディングのお手伝いをさせていただき、まず実感として得られた結果としては求人の問い合わせがオープン後も1年間くらいはずっと続いていたという点。当時オーナーにインタビューさせていただいた時も100人くらい応募があったそうです。その内容も、カッコいい、オシャレ!というだけでなく「コンセプトに共感した」なんて嬉しい声も聞けました。プロジェクトを進行していた当時感じていた脱毛=ネガティブなイメージをBE FREEによって、脱毛は=コンプレックスを解消するための手段ではなく、自分らしさを肯定し、美しくなることを楽しむ前向きな手段。として認知が広がっているようで嬉しいです。また昨今、ざまざまなメディアで見る脱毛サロンの広告はやはり安売りや色仕掛けみたいな手法をよく見かけます。僕らはそれはあくまで一過性のキャンペーンだと棲み分けし、目指したいものは長く継続できるような強いブランディングです。そう言った意味でBE FREEはそんな最初のゴールは達成できたのではと実感しています。