“らしさ”をちゃんと伝えるためのデザインづくり
いつも仲良くさせていただいている美容文化さん。きっかけは、ある日ふといただいたひと言。
「誌面の見せ方、ちょっと今っぽく変えていきたいと思ってて」そこから始まった、月刊誌「美容文化」のリニューアルプロジェクト。結果的に、ロゴから会社のWEBサイトまで、トータルで関わらせていただくことになりました。
東海エリアで長く愛されてきた、美容師さん向けの専門誌
美容文化社さんは、美容師さんに向けた専門誌「美容文化」を発行している出版社さん。
1959年創刊という歴史のある雑誌で、美容師さんにとっての“バイブル”的な存在です。打ち合わせの中で印象的だったのが、「ただ情報を届けるだけじゃなくて、美容師さんの仕事や想いを、ちゃんと形にしたい」という姿勢。すごく共感したし、「この想いをもっと伝えるためのデザインって、どうあるべきだろう?」と、こちらも自然とギアが入りました。
ロゴは“漢字回帰”。あえての重みを
まず最初に手をつけたのがロゴ。
実は、これまでのロゴはアルファベットで「biyo bunka」と表記されていました。でも、あえて“漢字”に戻しました。「美容文化」っていう言葉が持つ重みや信頼感。これはやっぱり、漢字じゃないと伝わらないなと。長年続いてきた雑誌だからこそ、“原点回帰”が一番今っぽい。そんな気がしたんです。

誌面デザインは“余白”で語る
誌面のデザインも大きく変えました。
どんなに素敵な内容でも、詰め込んだレイアウトだと読みづらくなるし、伝わりにくい。
だからこそ、“余白”の取り方にはかなりこだわっています。写真やテキストをどう配置すれば、その人の魅力が一番伝わるか。見出しのフォントは?本文サイズは?空気感は?こういう小さな調整が、読みやすさと品のよさを決めると思ってます。ちなみに、月刊誌だけでなく、季刊誌「BeautyWoo」や「美容室手帖」のリニューアルも行い継続しています。


WEBサイトも“言葉”を主役に
「美容文化」のリニューアルから始まったプロジェクトですが、美容師さんからの反応もよく嬉しい声が増えていきました。そんな中、「会社のWEBサイトも変えていきたい!」との話になりました。WEBサイトのリニューアルでは、デザインだけじゃなく「コピーライティング」も一から考えました。「美容に特化した出版社として、どんな想いで雑誌を作ってるんだろう」
それがちゃんと美容師さんに伝わるようにしたかったんです。
そこで、ブランドコンセプトとして設定したのが「美と人を編む」という言葉。
TOPページには、その「美と人を編む」とともに出版社として大切な思いをアニメーションで表現しました。
こういう“言葉が主役のデザイン”、個人的にもすごく好きです。

デザインで“また載りたい”と思える雑誌に
リニューアル後は、美容文化社さんの世界観がより明確になり、誌面に出た美容師さんからも「なんかいい感じ!」「また載りたい!」という声が届くように。
ただの“情報誌”ではなく、“誰かに見せたくなる雑誌”に進化してきた感覚があります。クラッチワークスとしても、「デザインでつながりをつくる」ことの大切さを、あらためて実感できたプロジェクトでした。これからも、美容文化社さんと一緒に、“美容業界をもっとおもしろくするデザイン”をつくっていけたらと思います。
